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2007年12月15日

救出

 そしてタクシーを捨てたわしは、戌神の自宅へむかう道の
最後の行程を徒歩でこなす。

 あの角を曲がれば戌神ハウスの正門である。

 せまい路地である。

何気なくその角をまがろうとしたとたん、向こうからきた
誰かと肩をぶつけてしまった。

すぐに「失礼・・・」と言いかけ、相手の顔を見たわしは
思わず息を呑んだ。


 肌が白い。

白人も皮膚は白いが、それはあくまで皮膚の下の血液の赤が
感じられる白さである。

この人物のは「色白」というようなものではない。
豆腐の色である。ギョウザの皮の下に、豆腐を包んだような
白さであった。

ひるんだわしに、その男(たぶん)は言った。


「あるぅごどわぃちゃっさや?こきぬすとらっせんぞ?」


なに?なんと言ったんだ?

角の先には戌神の家の正門しかない。目線をそちらにやると、
ちょうど門が閉まっていくところであった。この男はあそこから
出てきたのである。

「せんがら、もやっくよってに、さいがらwさいがらw」

と言って、うれしそうに笑う。

「よに、だらあな」

と片手をあげ、歩き去る。
その手ににぎられていたのはタマゴであった。

ダチョウのそれより少しちいさな、タマゴ。
わしはそれがなんのタマゴなのかを知っている。

「あの一個だけじゃなかったのか?」

うれしそうにタマゴを持って去る、正体不明の男。
戌神の家・・・。


「ブリーダー」

などという単語が脳裏をかすめる。



「たべちゃだめだぉ」


という声が聞こえたような気もした。


「戌神・・・・。貴様・・・」

左胸のホルスターからベレッタを抜き、ハンマーを起こす。


「そこでなにをしていやがる・・・・」


わしは右手にベレッタを構えながら、左手で門を開いていった。



                    <つづく>
posted by ビニール at 21:08| Comment(0) | TrackBack(0) | サルモネ戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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